研究概要 |
「創造教育」の成果を,教育や社会に有効に役立てるために,2005年に全高専62校,2006年に67校の大学(工学系)にアンケートを依頼した.高専48校(回答率77%),アンケート210件(4.4/高専),大学28校(回答率42%),アンケート61件(2.2件/大学)の回答が得られた. 創造教育の「内容」は,高専,大学ともに「ものづくり」が66%で「設計・実験」が続いている.「実施主体」は,高専・大学いずれも「クラス」が50%を越え,多くは正規のカリキュラムに位置付けられている.「指導」は高専・大学ともに,工学系「教員」が中心(高専72%,大学79%)であるが,技術センタの役割も大きい(高専12%,大学21%).一般系では,担当教員数は少ないが,理系(高専10%,大学8%),文系(高専3%,大学2%)が報告されている.「位置付け」は,高専,大学ともに,「カリキュラム」60%,「卒業研究」11%であり,「イベント」への活用は高専8%,大学12%,である.「対象」は,もっとも多いのは,高専「4年生」(24%),大学「1年生」(34%)となっており,位置付けは異なるが,同年令であるという興味深い結果が得られた.「連携」は,高専(「地域」22%,「企業」「自治体」6%),大学(「大学間」31%,「企業」27%,「地域」26%)である.高専は,「対象」の分析項目が,バランスが良く,「垂直連携」(人間の成長段階に応じた時系列的連携)に,また大学は「連携」の項目が大きく表れており,「水平連携」(地域,企業,大学等空間的連携)に,特徴があるといえる. 「創造教育館」をウェブ上に設立し,大学・高専の教育知財(例 アンケートに報告された271件)などを搭載し,広く活用されることにより,社会と教育への貢献を展望することができる.
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