研究課題/領域番号 |
17500623
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
東原 文子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60272150)
|
研究分担者 |
土橋 永一 聖徳大学, 人文学部, 教授 (10237175)
石川 由美子 宇都宮短期大学, 人間福祉学部, 助教授 (80282367)
|
キーワード | コンピュータ / 学習困難児 / 教材開発 / 特別支援 / 小学校 |
研究概要 |
研究1では、筆者が通常学級と相談室の両方で関わることができる軽度知的障害女児を対象に、通常学級の学習を支える相談室の役割や、児童の能力格差のある通常学級での学習教材の在り方を探ることを目的とした。本児は相談室で週1回、大学教員と大学生による学習指導を受けている。相談室では、通常学級の学習(たとえば2位数×1位数の筆算)の予備学習(たとえば九九)を中心としした学習を行うなどの方針を立てた。さらに、通常学級でのコンピュータ教材を用いた算数の授業において、相談室で教えている学生がTTとして必要に応じて対象児の援助をした。通常学級で学習困難児への配慮を考える際に重要なのは、ノーマルやそれ以上の能力をもつ他児への配慮であることが確認された。少し高度なコンピュータ教材を用意することで、ノーマルな児童が夢中になって学習に取り組めれば、特別なニーズのある児童への個別支援も余裕もってすることが可能であることが示された。 研究2では、形象的言語の理解につまずきやすい広汎性発達障害児を対象とした「比喩理解支援」のコンピュータ教材を開発する準備段階として、通常の小学校3年生と5年生を対象に、「比喩文産出」の調査を行なった。たとえば「海に似ているものは( )」(課題1)「海は( )のようだ」(課題2)「( )は海のようだ」(課題3)のように表現のしかたを変えて調査し、回答を7つのカテゴリーに分類した。その結果、3年生よりも5年生の方が、課題別にみると、課題3、課題2、課題1の順に比喩表現が産出されていた。3年生と5年生の差異が、概念的知識や思考の方法が具体的なものから抽象的なものへと質的に変化する転換期がこの時期にあることを示していると考えられる。
|