研究概要 |
研究1では、小学生(2年生から)がマウスを用いて簡単に操作でき、課題解決方略が分析できるような記録がとれる、パターン構成課題のコンピュータ教材を作成し、小学校のクラブ活動や、教育相談室での指導で試行し、解決過程の方略の分析が可能であるか検討することを目的とした。A小学校通常学級の4〜6年生の集団からなるコンピュータクラブの児童22名、および、大学の教育相談室に通う、構成課題に困難のある児童2名にこの教材を試行した。通常学級の子どもたちの、パターン構成課題の解決過程が詳細に記録でき、方略のタイプ分けをすることができた。また、学習困難児に対して、「分割線」支援、「分割窓」支援、「目印の数字を付加する」支援などを行い、成績を向上させることができた。 研究2では、文章題のペーパーテストで通過率が低かった「過不足のある等分除」に関してテープ図を構成しながら解決するCAI教材(Visual Basicで作成)を小学校3年生のCAIの時間に一斉に試行してその効果を調べることを目的とした。この教材はマウス操作で学習でき、問題文の文字列や数値をクリックするとマウスに伴ってピースが動き,テープ図の正しい位置で再度クリックすると固定される。指導の前後で行ったペーパーテストの結果、剰余タイプのみプリテスト-ポストテスト間で有意な成績の向上(p〈.01)がみられた。例えばプリテストで「余りのある除法の手続き」を形式的に用いて誤った16名のうちの7名がポストテストで正答できるなど効果があったと考えられた。
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