◎本システムの基盤機能の実現 1.Webベースのレポート作成・提出機能:Wikiと呼ばれる協調作業支援ツールの概念を使って、容易にレポートを作成できる機能を実現した。これは特別なツールを使用すること無く、通常のWebブラウザの機能だけを用いてレポートが作成できる仕組みである。レポートはハイパーテキストとして構造化される。さらに、レポートはその中に、図や表、ソースリストなどを含むために、通常のWikiの機能では不十分であり、機能拡張を行なった。 2.版管理機能:学生のレポートを版管理し、修正箇所と内容の把握を容易にした。さらに、修正の指摘(コメント)と対応する修正箇所の把握を容易にする機能を実現した。RCS(Revision Control System)やCVS(Concurrent Versions System)などの版管理システムの技術を援用した。 3.レポート管理機能:個々の学生の実験の進捗状況、レポートの提出状況、添削の進行程度、評価点などを管理できる機能を実現した。そのために、対象となる実験の構成や進捗管理項目、取り扱うレポートの種類、締切り、採点基準と配点など、レポート管理に必要な様々な項目を整理し、システム中に定義できる仕組みを作成した。 ◎本システムを用いて実際の授業に適用する実証実験 実際の授業で実験レポートの作成・添削に適用する実証実験を行った。対象授業は100人の学生に対して3人の教員が担当するものである。このために高性能パーソナルコンピュータを購入してWebサーバ、データベースサーバとして運用した。また、添削指導の大部分がオンライン化されたとしても、教員と学生が対面で直接指導することは重要であり、これを支援する機能が必要である。そのために、タブレット型コンピュータを用いて、画面を指示しながら面接することができるようにした。
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