研究課題/領域番号 |
17500654
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
稲葉 竹俊 東京工科大学, メディア学部, 助教授 (10386766)
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研究分担者 |
佐藤 敬 東京工科大学, メディア学部, 教授 (20235360)
松永 信介 東京工科大学, メディア学部, 講師 (60318871)
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キーワード | eラーニング / Adaptive Hypermedia / ユーザモデル / 学習者特性 |
研究概要 |
1.研究準備フェーズ Adaptive HypermediaやUser Modelingといった技術的基盤をもった、既存の教育システムに関する諸研究を整理し、特に認知スタイルや学習スタイルに基づいたシステムの研究を精査した。 2.試行版システムの設計・開発フェーズ 2005年度は論理学と言語学を対象にした学内の授業をひとつ選び、これについて学習者の知識レベルに適応する試行版システムを構築することとした。まず、授業内容全体をその構成要素に細分化し、要素間の関係を定義することで、この授業の知識モデルを構築した。この要素間の関係の定義においては、ある任意の知識要素について、その前提となる知識要素がなんであるのかを決定し、また前提となる複数の知識間での重要度を重みという形で表現した。このモデルに基づいて、各ユーザの知識レベルをモデル化するオーバーレイモデルを今回は採用した。また、これと平行して、ラーニングサイトとしてのコース構成をコースマップとして決定し、知識モデル上での要素間の関係をリンクとして表現した。このリンクの特性(リンクの開閉や推奨の有無など)が、ユーザモデルとして表現された各ユーザの知識レベルに動的に対応して変化することで、学習者特性の実現が可能になった。 3.試行版システムの運用実験フェーズ 2005年12月に試行システムが一応完成したので、2006年1月に、当該授業で全受講学生を対象に実験を行った。任意に2つのグループに全学生を分け、一つ目のグループには特性適応型教材を、2つめのグループには適応機能の無い、通常の教材を配信し、その学習効率や学習効果についてポストテストを行った。この実験のデータ自体については現在も解析中であるが、少なくともシステムの動作レベルでは、大きな不具合無く、システム設計段階で意図していた適応機能は十全に実現したことを確認済みである。今年度は、適応を知識レベルのみならず、認知スタイルや学習方法などの因子に対して行い、実験を行う予定である。
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