本研究の目的は、環境教育に衛星リモートセンシングデータとWeb-GISを活用して、教育現場で活用可能な野外体験学習支援システムを構築することである。本研究では、GPS(Global Positioning System}を用いて観測位置を同定し、その位置座標でデータベースを検索し、その場所に関連する環境情報をWeb-GISから引き出せるようなシステムを構築する。環境情報として、温度・湿度観測網を構築し地域の熱環境情報を提供できるようにする。また、大気エアロゾル観測体制を確立し地域の大気環境情報を提供できるようにする。 平成17年度は以下の通り実施した。 1)気温・湿度の金沢市内同期観測の教育プログラムの検討 金沢市内中心部た気温・湿度データロガーを設置し、夏季の地方都市の熱環境状況を調査した。体感しているものを具体的な数値で表すことの重要性を、学習者の興味を持続しながら学習する教育プログラムを検討した。また、観測ネットワークを構築し、常時教育利用可能な運営体制の基盤を構築した。 2)大気観測の教育プログラムの検討 大気エアロゾルの光学的厚さの日々の変化をスカイラジオメータを用いて観測した。また、衛星による地球観測の事例を紹介し、理系型環境教育プログラムも併せて検討した。 3)野外体験学習支援用のWeb-GISシステムの開発 Web-GIS構築ツールソフト(インフォサーブ社)を用いてWeb-GISシステムの基盤部分を開発した。
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