研究課題
近年に重要視されるようになった独創性・創造性育成には、その基本として学習者の自発的な学習行動を覚醒する学習環境が必要である。これまでの多くのe-Learningは、学習教材の管理や配信、講義のストリーミング配信など、機械的操作に優れているが自発性は学習者任せであった。本研究の目的は、自主学習の困難な学習者をも叱咤激励しながら自発的で積極的な一般的学習行動に誘導するe-Learning学習支援を実現することにある。こうした学習者の自発的な学習行動のモニタリング手法を解明し、その結果に基づく学習支援方略の一般的な数理モデルの定式化を試み、その実用化実験を経験しながら実践的なコンピュータ実装を試みてきた。平成17年度は、自発的学習支援に必要な学習環境を、学習支援環境モニターとしてマンマシーンインターフェイス画面を設計し、e-Learningの基本構成をエージェント・モデルとデータベースで構築した。平成18年度は、自主学習の支援に必要な学習者個々の知的資質を計測する手法の開発を試みた。数組のコンピュータ・ゲームを用意し、ゲームの成功度を計測し、その結果を統計解析することで、個々の被験者の知的資質の偏差値を算出する方策を開発した。平成19年度は、自主学習行動のモデル化を目的に、学部学生と大学院生の協力によるWebページ作成、Webページ作成公開講座などの実施を通して、創造的・自主的な学習態度、学習手順などの実態を具体的に観察した。この様に本研究では、教員の持つ教育戦略に関わる様々な専門家知識を学習支援システムとして構築することを目指してプロトタイプを試作した。報告書にもまとめたように、構想とプロトタイプ試作は出来たが、実用化へはさらに具体的な教材開発等を要し実現までにはあと一歩であった。
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The Journal of Information and Systems in Education Vo1.5,No.1
ページ: 110-116
the 7 the International conference on Advanced Learning Technologies(Niigata, Japan), IEEE、 Vo1.5,No.1
ページ: 650-654
8th International Conference on Information Technology Based Higher Education and Training ITHET' 07
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