研究概要 |
1.創造性に関する心理学的知見に基づいた授業の実践 中部大学の創成科目の受講生131名に対して,以下の3つの活動から構成された授業を実施した(週1コマ135分×12回).なお,本実践では,(2)と(3)の活動のサイクルを2回繰り返して実施した.また,学習効果を評価するためのデザイン課題が,学習前と学習後に2回実施された. (1)導入:学習者は,プログラミングのための環境の構築と,基本的なプログラミングに関する講義と演習に参加した. (2)創造活動:学習者はLEGO Mindstormsを用いて,グループでロボットを製作し,タイムトライアル競技に取り組んだ. (3)リフレクション:学習者は,リフレクション(自己の創造活動を振り返って評価するメタ認知的な活動)を行った.具体的には,グループの創造活動の記録をもとに,創造プロセスをチャートとしてまとめ,自己の創造活動についての評価を行った. 2.学習効果の評価 以下の2点の評価から,本創成科目で実施した創造性教育によって,学習者の創造活動が向上していることが確認された. (1)アンケートによる主観的評価 アンケートの結果から,学習者が創意工夫し,トライ・アンド・エラーの姿勢で取り組んだことが確認された. (2)デザイン課題による客観的評価 アイデア産出スキルの変化より客観的に評価した結果,学習者のアイデア産出量は,授業後,アイデア数,幅,深さともに増加していることが確認された.また,アイデア産出の系列を分析した結果,創造活動に重要とされるリフレクティブな活動を行った学習者が,授業後増加していることが確認された. 3.新たな授業デザインの設計 前述した結果を踏まえて,授業デザインの改善と,学習効果の新たな評価方法の考案,授業支援ツールの改良を行った.改善後の授業の実践が行われ,現在,その結果について分析中である.
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