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2006 年度 実績報告書

歴史的煉瓦造建築物の長期保存のための評価手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17500692
研究機関山口大学

研究代表者

河原 利江  山口大学, 大学院理工学研究科, 助手 (80346577)

研究分担者 守 明子  名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (00314071)
キーワード煉瓦造建築物 / 長期保存 / 超音波伝播速度 / ヤング係数 / 乾湿ムーブメント / 注入補修 / 圧縮試験 / 一面せん断試験
研究概要

近年,明治・大正時代に建設された煉瓦造建築物の歴史的価値が認識され,文化財の指定を受けるものが増加してきた。しかし,その建築物を長期に亘って健全な状態で保存するに当たっては,同時代に製造された煉瓦の品質は多種多様であるがゆえに,構造体を構成する煉瓦単体や目地材料,さらにはそれらを組み合わせた組積体の物性に関する基礎的なデータの収集が不可欠である。本研究では,各種煉瓦造建築物に使用されている煉瓦を対象とした物性に関する調査・実験を実施し,その結果に基づいて長期保存に適した補修工法の選定を行うための評価手法を確立することを目的として,以下の2項目について研究を行った。
1.歴史的煉瓦造建築物に使用されている煉瓦の物性調査
文化財に指定されている煉瓦造建築物では,試験体を採取することが困難な場合が多い。このことから,超音波試験機による伝播速度の測定を行い,各種煉瓦のヤング係数の推定を行った。その結果,同ヤング係数とこれまでに測定を行った気孔率・最大膨張ひずみとの間の高い相関性を確認することができた。また,煉瓦の基本的物性の一つである日常想定外力としての乾湿ムーブメントの把握を目的とした長期に亘る乾湿繰返し実験を行った。その結果,乾湿の繰返しによる各種煉瓦のひずみの傾向を明らかにすることができた。
2.目地補修を施した煉瓦組積体の力学性状改善効果について
煉瓦造建築物の保存において一般的に行われている煉瓦壁の目地非充填部の注入補修に着目し,これによる力学性状改善効果を確認する目的で,煉瓦の材質および目地の調合比を変化させ,目地部に設けた間隙に各種補修材料を注入した煉瓦組積体の一軸圧縮試験および一面せん断試験を行った。その結果,組積体の材質による破壊過程の相違や,低粘度かつ流動性の大きい補修材料による高い強度改善効果を確認することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 文化財煉瓦造建築物の長期保存判定基準に関する研究 その12 長期に亘る乾湿繰返し実験2007

    • 著者名/発表者名
      岩田菜美子
    • 雑誌名

      日本建築学会東海支部研究報告集 第45号

      ページ: 41-44

  • [雑誌論文] 煉瓦組積体における目地非充填部注入補修による力学性状の改善効果2006

    • 著者名/発表者名
      河原利江
    • 雑誌名

      歴史的構造物の診断・修復に関するシンポジウム 論文報告集

      ページ: 89-94

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 組積造建築物における粘土焼成煉瓦の耐久性2006

    • 著者名/発表者名
      守 明子
    • 雑誌名

      歴史的構造物の診断・修復に関するシンポジウム 論文報告集

      ページ: 95-100

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 文化財煉瓦造建築物の長期保存判定基準に関する研究 その12 煉瓦単体のヤング係数と諸物性との関係2006

    • 著者名/発表者名
      春田仁美
    • 雑誌名

      日本建築学会大会(関東)学術講演梗概集 A-1

      ページ: 965-966

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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