研究概要 |
1.研究の目的 本研究は,等高線や格子点等の情報によらず,地形を意味ある情報として定義し,それを3次元的に再現できる地形情報モデルの構築を目指すものであり,その具体的な研究内容は以下の通りである. (1)尾根や谷等の地形特徴をオブジェクトとして定義した地形情報モデルの構築およびその実装システムを構築し,その有用性を明らかにする. (2)VR技術を適用した3次元地形表現手法として,HMDや立体ディスプレイ,触覚可能な地形表現システムの構築を行い,それらの手法の有効性を明らかにする. 2.研究成果の概要 (1)地形情報モデルの構築 地形を形成する地形特徴オブジェクトとして「尾根」「谷」を抽出し,それらの形状および相互の接続・隣接関係を情報として格納するためのデータモデルの構築を行った.さらに,そのモデルに基づいて地形面を再構成するアルゴリズムおよび実装システムを構築し,本手法による地形表現が可能であることを示した. (2)3次元地形表現手法に関する研究 数値地形情報に基づき,任意の地形面を表現できるタンジブル(触覚可能)な地形ディスプレイの構築を行った.本システムは,8×8のステッピングモータを用いて伸縮性スクリーンを変形させ,その上部から航空写真を投影することにより,地形面の再現を行うものである.地形表現システム上で,道路の線形設計を行うためのシステムのプロトタイプを開発するとともに,HMDを用いたシステムとの比較実験を行い,設計支援システムとしての操作性や地形の理解度においてタンジブル地形ディスプレイが優れていることを明らかにした.さらに小型タンジブル地形ディスプレイの開発を行い,その有用性の評価を行うとともに,今後の課題を示した.
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