研究概要 |
本研究では、ラジオ波(200-300kHz)の印加で小型かつ安定なヘリウムプラズマを容易に生成できることに着目し、環境汚染物質を高感度・高選択的に検出できる小型原子発光検出(AED)デバイスを開発することを目的とした。 まず、有機硫黄化合物に高感度なAEDデバイスを開発した。測光系にアバランシェフォトダイオードモジュール(APD)を用い、干渉フィルターにより硫黄元素由来の原子発光(921-923nm)を選択的にAPDに導いた。電極内径および高圧側電極管の内径、電極間距離、印加電力および周波数、プラズマガス流量などをガスクロマトグラフ(GC)の検出器として最適化した結果、pg/secオーダーの検出感度を達成した。 次に、新たに同軸二重管型マイクロプラズマトーチを内蔵した小型・省電力型AEDデバイスを開発した。このデバイスは1W以下でプラズマの点灯が可能であり,かつ数mL/minのプラズマガスで測定が可能であった.GCに開発した検出デバイスを搭載し,測光系にCCD分光器を用いて印加電力および周波数、プラズマガス流量などを最適化した結果、有機リンおよび硫黄化合物の高感度検出に成功した。 さらに、対向同軸型マイクロプラズマトーチを内蔵した小型AEDデバイスを開発した。GCに搭載して測光系にCCD分光器を用いて印加電力および周波数、プラズマガス流量などを最適化した結果、硫黄については元素量として8pg/sec、リンについては12pg/secとさらなる高感度化に成功した。
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