研究概要 |
1.代理表面の設計と試作 長軸長が30cm,短軸/長軸比が1/8の楕円球状の代理表面(材質はテフロン)を設計・試作した。この代理表面の頂部を囲む同心円上に,分子拡散長が異なる12個のガス採取器を組み込み,野外実験用の試験体とした。 2.数値計算と室内実験 上記1で設計した代理表面近傍での流れの状態を計算により調べた。水平風速が15m/s以下の気象条件下では,表面近傍での境界層の厚さはほぼ一様であり,流れの剥離は生じないことを確認した。 炭酸カリウムを含浸したフィルタを代理表面の表面に装着して(財)電力中央研究所赤城地区の暴露実験施設内に設置し,二酸化硫黄の濃度と流速を制御して捕集面上に試料を採取した。採取した試料の分析データをもとに,代理表面への二酸化硫黄の沈着フラックスと,濃度や流速との関係を調べた。 3.野外観測 試作した代理表面を(財)電力中央研究所我孫子地区に開設した露場内に設置し,乾性沈着量のほか気象要素(風速,温度・湿度)と大気濃度(二酸化硫黄)の測定を開始した。併行して既往の観測データを整理し,代理表面を上向きと下向きに暴露した場合の沈着フラックスの異同を解析した。
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