研究課題/領域番号 |
17510023
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
森田 龍義 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (30115084)
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研究分担者 |
小川 潔 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70133113)
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キーワード | タンポポ属 / Taraxacum / セイヨウタンポポ / Taraxacum officinale / 遺伝子汚染 / 雑種タンポポ / 環境指標植物 / 都市化 |
研究概要 |
本研究は、タンポポ属における「遺伝子汚染」、あるいはセイヨウタンポポと在来種の間の「雑種タンポポ」の増加がどのように進行したのかを、過去に首都圏で行われた「タンポポ調査」において収集された乾燥標本を用いて解明しようとする試みである。材料は1980年、1990年、2001年についてそれぞれ約1000点あった。 サンプルは保存状態が悪いため、まずDNA抽出法(CTAB法)を改良した。雑種判定法は、抽出したDNAを用いて、trnf-trnl間の非コード領域(葉緑体DNA)をPCRにより増幅し、アガロース電気泳動によりサイズを比較する方法である。この領域には約80bpのins/delがあり、セイヨウタンポポと在来種(カントウタンポポ等)を比較すると在来種のほうが長いことが筆者他により明らかにされている。雑種タンポポは、2倍体在来種を種子親、3倍体セイヨウタンポポを花粉親として生じ、葉緑体DNAは母系遺伝するので、在来種型のバンド(泳動速度が遅い)を示せば雑種と判定できる。 2001年の材料については、ユニバーサルプライマー(Taberlet et al.1991)で容易にPCRでき、清瀬市・東久留米市・東村山市の66サンプルのうち88%にあたる58サンプルが雑種であった。この結果は東京の生材料を用いた結果(芝池・森田2002)とほぼ一致する。 1990年以前のサンプルについては、DNAの断片化のためか、ユニバーサルプライマーでは増幅できなかった。そこで、ins/delを含むできるだけ短い領域を増幅するためのプライマーを3つ設計し、それらを組み合わせてnested PCRを行い1980年22サンプル、1990年37サンプルを増幅することができた。上記地域の1980年のサンプル中、100%が雑種と判定され、1990年のサンプルでは96%が雑種と判定された。これらの結果については、バンドの解釈に疑問があり、方法自体を含めた再検討が必要とされる。ITS(核DNA)を用いた雑種判定はPCRが成功せず、実験方法の改良が必要とされる。
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