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2005 年度 実績報告書

世界文化遺産(京都)の背後にある森林景観の回復

研究課題

研究課題/領域番号 17510025
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

安藤 信  京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助教授 (00133132)

研究分担者 高原 光  京都府立大学, 農学研究科, 教授 (30216775)
酒井 徹朗  京都大学, 情報学研究科, 教授 (10101247)
キーワード森林景観の回復 / 京都市 / マツ林の再生 / シイ林の拡大 / モニタリング
研究概要

京都市の歴史的景観を回復させることを目的に、17年度は、I.拡大してきたシイ林の実体をつかむ、II.シイ林の種の多様性を回復させるための施業法を検証する、III.京都の代表的な森林景観であるマツ林を再生するための施業法を検証することに主眼がおかれた。Iに関しては、東山を対象に1961〜2004年に撮影された空中写真や現地調査を基に、地理情報システム(GIS)を用いて解析した結果、シイの樹冠面積は1961年の6.9haから急速に拡大し1987年には25.7haとなり、西斜面では斜面下部から上部へと拡大している。分布拡大が認められない東斜面でも、現地の下層調査からはシイの分布が急速に進行していることが伺えた。IIに関しては、東山の清水寺裏山に当たる高台寺山国有林で2004年10月にシイ等常緑広葉樹を対象に部分伐採が行われた。伐採跡地には天然更新を促すために残された枝条を集積する補助作業が施され、一部落葉樹の植栽も行われた。すでに国有林の協力の下に0.4、0.7haの固定調査地を設定し、伐採前の林分、光環境調査を実施してきたが、本年度は更新の初期段階として高木、亜高木層の伐採後の林分、光環境の再調査と、更新プロットによる稚樹調査を行い、モニタリング体制の構築を目指した。IIIに関しては、マツ枯れが進行し広葉樹混交林となった大文字山では、2004年2月から国有林による常緑広葉樹の除伐と堆積する地表のリターの除去する、残存マツを母樹とする天然更新作業が始まった。ここでは2004年春からマツの天然更新試験を開始するとともに、アカマツ種子を林地に直接播種する方法を用いて、リターの厚さの違いや、土壌最上層の有機物層を剥ぎ取った場合との比較から、富栄養化した林地におけるマツ林の再生技術に関する検討を行った。その結果、リター量を減らすだけでなく、部分的に有機物を剥ぎ取る更新方法はアカマツの発芽1年目の発生・定着を促すだけではなく、2年目の成長に優れ、今後繁茂してくる他の植生との競争に良好な影響を与えることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 地表処理が異なる林地に生育したアカマツ1年生苗の成長2006

    • 著者名/発表者名
      呉初平, 岡田泰明, 清水良訓, 安藤信
    • 雑誌名

      日本森林学会講演集 117

      ページ: PA47

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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