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2006 年度 実績報告書

光質環境と芳香族炭化水素が海産植物プランクトンへ及ぼす複合影響

研究課題

研究課題/領域番号 17510034
研究機関独立行政法人水産総合研究センター

研究代表者

奥村 裕  独立行政法人水産総合研究センター, 東北区水産研究所・海区水産業研究部, 主任研究員 (80371805)

キーワード海洋保全 / 環境政策 / 植物 / 微生物
研究概要

白色強光(2000μmol/m^2/s)による光障害とナフタレンによる毒性により、海産植物ブラントンの生長が複合的に阻害されることを昨年度明らかにした。そこで、今年度は白色強光(2000μmol/m^2/s)とナフタレンによる複合毒性が、植物プランクトンの光防御機能であるキサントフィルサイクルに影響を及ぼすか調べる実験を行った。異なるキサントフィルサイクルを持つ植物プランクトン(珪藻:Phaeodactylum tricornutum,プラシノ藻:Pycnococcus provasolii)に対し、暗条件下でナフタレン(珪藻は15ppm、プラシノ藻は30ppm、ナフタレン無添加の対照区も用意)を暴露し、直後に2つの光条件下(白色200μmol/m^2/s、2000μmol/m^2/s)で培養を行い、色素組成、酸素発生量の経時変化を調べた。他の実験区に比べ、珪藻は強光2000μmol/m^2/s、ナフタレン15ppm暴露区でディアディノキサンチンからディアトキサンチンの色素の変換が早く起こり、プラシノ藻は強光2000μmol/m^2/s、ナフタレン30ppm暴露区でビオラキサンチンからアンテラキサンチン、ゼアキサンチンへの色素の変換が早く起こった。そのため、複合毒性によるキサントフィルサイクルの阻害は観察されなかった。一方、2000μmol/m^2/sの光条件下でナフタレンを暴露した場合、200μmol/m^2の光条件下でナフタレンを暴露するより、光合成による酸素発生量が低下していた。以上より、強光下におけるナフタレンの暴露は、キサントフィルサイクルを直接阻害するのではなく、植物プランクトンの光合成を阻害し、そのため植物プランクトンは光障害から身を守るために、通常より早くキサントフィルサイクルを反応させるという考察を得た。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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