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2005 年度 実績報告書

新規マイクロエマルション系を用いた環境中放射性物質の高選択的濃集法の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 17510054
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

長縄 弘親  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究主幹 (00354837)

キーワードW / Oマイクロエマルション / 放射性物質 / シナジー逆ミセル系 / 分子性有機配位子 / ジオクチルジグリコールアミド酸 / 環境調和型抽出剤 / 高選択的濃集法 / 連続抽出装置
研究概要

水環境における微量放射性核種の高選択的に分離・濃集することを目的として、抽出・分離能を付加した新規W/Oマイクロエマルション系に関する研究を行った。まず、市販の界面活性剤Aerosol OT (AOT)と種々の分子性有機配位子を組み合わせたW/Oマイクロエマルション系(シナジー逆ミセル系)を用いて、ウラン、ストロンチウムおよびランタノイドの抽出実験を行った。まず、AOTと分子性有機配位子してテトラアルキルジグリコールアミド(TADGA)、カルバモイルメチレンホスフィンオキシド(CMPO)およびジアミド(DA)を組み合わせたシナジー逆ミセル系を河川水からのUO_2^<2+>の抽出に利用し、良好な結果を得た。なお、腐植物質の影響はほとんどないことがわかった。また、AOTとTADGAを組み合わせたシナジー逆ミセル系を模擬海水からのSr^<2+>の抽出に利用した結果、同族元素であるMg^<2+>やCa^<2+>を高濃度で含む溶液からの抽出であるにもかかわらず、1000以上の分配比を得ることができた。また、市販薬AOTの低電解質濃度の水相に溶出しやすいという問題点を解決するため、新しい試薬、ジオクチルジグリコールアミド酸(DODGAA)を開発した。DODGAAは、電解質が存在しなくても水にまったく溶出することなく金属イオンを抽出することができるため、電解質フリーでの抽出が可能となった。DODGAAをランタノイドの抽出に利用した結果、カルボン酸型の試薬であるにもかかわらず、非常に高性能なリン系抽出剤(PC-88A、D2EHPA)に匹敵する抽出・分離性能を発揮し、且つ水への溶解度はこれらのリン系試薬の1/5000程度であることがわかった。完全焼却処分が可能で水環境を汚染しない環境調和型試薬なので、利用価値も高い(特許出願手続中)。また、抽出速度が大きいという逆ミセル系の特徴を利用した連続抽出装置の開発に着手した。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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