研究課題
基盤研究(C)
1重粒子線治療およびX線治療を行った子宮頸がん患者あるいは東海村臨界事故時の中性子線被ばく患者のサンプルおよび健常人末梢血に^<60>Coγ線(1-3Gy)と10MeV中性子線(0.5-2Gy)照射したサンプルの解析結果から、環状断片頻度(Ra)と二動原体(Dic)の比(Ra/Dic;RaD値)及び過剰断片(ExFrg)と二動原体の比(ExFrg/Dic;EfD値)が細胞遺伝学的指標の新規候補として抽出された。2イランラムザール地方は、ラジウムを含む泉水を主な放射線源とする世界有数の高自然放射線地域である。そこで当概地方住民の染色体分析結果を用いて、RaD値やEfD値を計算した。ラムザール住民のRaD平均値は(1)での結果と一致し、JCO事故被ばく者(中性子とγ線の混合被ばく)の数値に最も近かった。一方EfD値は(1)での結果に比べてはるかに大きかった。泉水に含まれたラジウムの金属毒性の影響が考えられる。3高LET放射線照射による相対的な環状断片の減少/過剰断片の増加が見られる理由として、修復効率の低い複雑な染色体損傷が高LET放射線で高頻度に誘発されたためと考えられる。こうしたメカニズム研究を行うため、マウス末梢血よりリンパ球を分離・培養し染色体分析をする系を確立した。また放射線によるDNA損傷を、修復プロセス以前の段階で観察する目的で、間期染色体可視化技術の開発を行った。
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