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2006 年度 実績報告書

悪性腫瘍の遺伝子治療法高度化に向けた低線量放射線応答性治療ベクターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17510058
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

根井 充  独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, グループリーダー (10164659)

研究分担者 松下 悟  独立行政法人放射線医学総合研究所, 基盤技術センター, 副センター長 (40165808)
キーワード遺伝子治療 / アデノ随伴ウイルスベクター / p21^<WAF1> / 低線量放射線 / HSV-tk
研究概要

治療遺伝子を放射線応答性のプロモーターの制御下に置き、腫瘍を放射線照射することで腫瘍部位のみで治療遺伝子を発現させる方法が試みられているが、これまでに試みられてきた方法は1回当たり2Gy以上の高い放射線量を要することが難点であった。我々はこれまでにアデノ随伴ウイルスベクターを用いることにより、p21^<WAF1>遺伝子プロモーターの高い低線量放射線応答性が得られることを示してきた。本研究ではこの性質を利用して遺伝子治療ベクターを開発することを目的としている。
昨年度はp21^<WAF1>遺伝子プロモーターに治療遺伝子としてヘルペス単純ウイルス由来チミジンキナーゼ(HSV-tk)遺伝子を接続し、アデノ随伴ウイルスベクターを用いてMCF-7細胞に導入した。これに5時間の間隔をおいて1GyのX線を1日2回、連続5日照射した場合、10オg/mlガンシクロビル存在下でHSV-tk遺伝子導入細胞の放射線感受性が顕著に高まることを確認した。これによって、p21^<WAF1>遺伝子プロモーターにHSV-tk遺伝子を接続したアデノ随伴ウイルスベクターががんの遺伝子治療に有効である可能性を示唆した。
本年度は、p21^<WAF1>遺伝子プロモーターにHSV-tk遺伝子を接続したDNAコンストラクトをMCF-7細胞に安定導入(トランスフェクション)し、ヌードマウスの鼠径部に移植した。この場合、形成された移植腫瘍のすべての細胞にDNAコンストラクトが導入されていると考えられる。腫瘍形成後、毎日2回のガンシクロビルの投与と放射線照射(1Gy)を行ったところ、放射線の治療遺伝子により放射線の抗腫瘍作用が増強されることが確認された。来年度は、実際の治療条件下での効果を調べるために、培養細胞をヌードマウス移植し、腫瘍形成後アデノ随伴ウイルスベクターで治療遺伝子を腫瘍に摂取し、ガンシクロビル投与と放射線照射を行いつつ腫瘍の大きさを測定する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Low-dose radiation response of the p21^<WAFl/ClPl>gene promoter transduced by adeno-associated virus vector.,38,20062006

    • 著者名/発表者名
      Nenoi, M., Daino, K., Ichimura, S., Takahashi, S., Akuta,T
    • 雑誌名

      Experimental Molecular Medicine 38

      ページ: 553-564

  • [雑誌論文] Both the basal transcriptional activity of the GADD45A gene and its enhancement after ionizing irradiation are mediated by JunD/AP-1.2006

    • 著者名/発表者名
      Daino, K., Ichimura, S., Nenoi, M.
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta-Gene Structure and Expression 1759

      ページ: 458-469

  • [雑誌論文] The initiator motif is preferentially utilized as the core promoter element in ionizing radiation-responsive genes.2006

    • 著者名/発表者名
      Wu, J., Daino, K., Ichimura, S., Nenoi,M.
    • 雑誌名

      Radiation Research 166

      ページ: 810-813

  • [図書] 低い線量の放射線で制御できる遺伝子発現ベクター -遺伝子治療を併用するがんの放射線治療に向けて。先端科学技術要覧-OHM HEADLINE REVIEW 2006-2006

    • 著者名/発表者名
      根井 充
    • 総ページ数
      432-433
    • 出版者
      オーム社

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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