| 研究概要 |
電気集塵(EP)法,及び吸収触媒担持ハニカムにより局在化したディーゼル排気ガス中の微粒子(DPM)と窒素酸化物(NOx)の大気圧バリア放電(DBD)による同時処理方法を開発するため,本年度は「ディーゼル実排ガス中の微粒子の電気集塵法による捕集実験」,及び「集塵微粒子とNOxのDBDによる同時分解実験」を行った.
まず,電気集塵,及びDBD放電の両方を行える電極構造の多段式EP/DBDリアクターを設計・製作した.発電機用ディーゼルエンジンからの実排ガスの一部をEP/DBDリアクターに流し,コロナ放電電極形状,印加電圧の値とその極性,エンジン負荷状態,及びガス流量(〜50L/min)を変化させた場合のDPMの電気集塵特性を調べた.様々な形状・サイズのコロナ電極を作製して実験を行った結果,細線多針形状のコロナ電極を用い,負コロナ放電を生成した場合が,最もDPM集塵率が高い事が判った.その場合,いずれのエンジン負荷状態においても排ガス流量20L/min以下では,DC3.5kVの電圧印加で90%の以上の集塵率が得られ,昨年度の実験結果(5kV,30%程度)を大きく改善できた.また,同じ集塵条件における連続動作でも集塵率の大きな低下は見られず,1時間経過後も90%以上を維持できた.
次に,EP/DBDリアクターでDPMを1時間集塵した後,NO(1500ppm)を含む模擬ガス中(10%0_2+N_2)を流し,DBDによるDPM及びNOの分解特性を調べた.この結果,DPMとNOの同時存在下で,それぞれの分解率が向上する事を明らかにした.EP/DBDリアクターによる実ディーゼル排気ガス,中のDPM集塵,及びDPM, NOxの同時分解が達成され,本提案コンセプトの有効性を示す事ができた.
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