研究課題/領域番号 |
17510071
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森村 茂 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20230146)
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研究分担者 |
木田 建次 熊本大学, 工学部, 教授 (00195306)
重松 亨 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10315286)
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キーワード | 焼酎蒸留廃液 / 醸造酢 / 抗腫瘍活性 / 抗ラジカル / アポトーシス誘導 / 免疫増強 / 精製 / U937 |
研究概要 |
米、麦、芋、紫芋の4種類の焼酎蒸留廃液(焼酎粕)から醸造酢を製造し、培養細胞を用いて、抗ラジカル活性試験、マクロファージ活性化試験、アポトーシス誘導試験を行った。抗ラジカル活性は、ヒトリンパ腫U937細胞にtBuOOHを酸化ストレスとして与える系を対照区とし、対照区にサンプルを添加することでtBuOOHによる酸化ストレスが軽減されるか、WST-8活性により評価した。マクロファージ活性化試験は、BALB/cマウスの腹腔内から採取したマクロファージ細胞にサンプルを添加し、NO産生量とIL-12等のサイトカイン産生量の増進により評価した。アポトーシス誘導活性は、抗ラジカル活性試験と同じU937細胞にサンプルを添加し、DNAの断片化やannexin V染色等により評価した。最初に、醸造酢の酢酸エチル抽出を行い、酢酸エチル相抽出物と水相抽出物に分画し、両画分に対して3種類の培養細胞系評価を行った。抗ラジカル活性は、芋焼酎粕と紫芋焼酎粕から製造した醸造酢の酢酸エチル相抽出物にのみ見られたことから、芋に由来する極性の低い物質が予想された。また、アポトーシス誘導活性については、活性は非常に弱いが、4種類すべての酢酸エチル相抽出物で認められたことから、焼酎粕醸造酢に共通して存在する極性の低い物質が予想された。マクロファージ活性化試験については、酢酸エチル相抽出物と水相抽出物の両方でNO産生量が増加したが、NO産生量とIL-12産生量は相関しなかった。現在、抗ラジカル活性物質とアポトーシス誘導物質については、酢酸エチル相抽出物の逆相HPLC分画を行い、活性の確認と活性物質の分離・精製および同定を行っている。マクロファージ活性化物質については、NO産生物質とIL-12産生物質を分けて再実験を行っており、その後、物質の分離・精製と同定を行う予定である。
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