• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

焼酎蒸留廃液有効利用のための抗腫瘍活性成分の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17510071
研究機関熊本大学

研究代表者

森村 茂  熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (20230146)

研究分担者 木田 建次  熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (00195306)
キーワード焼酎蒸留廃液 / 醸造酢 / 抗腫瘍活性 / アポトーシス誘導 / 抗ラジカル活性 / 免疫増強作用 / U937 / 精製
研究概要

米、麦、芋、紫芋の4種類の焼酎蒸留廃液(焼酎粕)から醸造酢を製造し、培養細胞やマウスを用いて生理活性評価を行った。平成17年度に、焼酎蒸留廃液から製造した醸造酢の酢酸エチル抽出物が優れた抗ラジカル活性およびアポトーシス誘導活性を示すことを明らかにしたので、平成18年度は両活性成分の精製・同定を行った。逆相HPLCを用いて酢酸エチル抽出物を分画し、得られた各画分の抗ラジカル活性およびアポトーシス誘導活性を測定することで活性画分を特定した。その後、NMRやLC-MSなどを用いて同定した結果、主な抗ラジカル活性物質はチロゾール、アポトーシス誘導活性物質はトリプトフォールであることが明らかになった。HepG2に対してチロゾールで処理することにより、H_2O_2の酸化ストレスによるTBARSの生成を抑制し、細胞内グルタチオン濃度の減少を抑制することを明らかにした。また、in vivoにおいてもチロゾールを投与したマウスは肝臓のTBARS値や血清中のASTおよびALT値が対照群と比較して有意に減少し、抗酸化機能が有意に向上することを明らかにした。一方、アポトーシス誘導物質であるトリプトフォールは、エタノール発酵の過程で酵母がトリプトファンから生成することを明らかにした。トリプトフォールがどのようなメカニズムでU937細胞にアポトーシスを誘導するかを調べたところ、2種類あるアポトーシス誘導経路のうち、カスパーゼ8からカスパーゼ3へ刺激を伝えてアポトーシスを誘導することがわかった。さらに、カスパーゼ8を刺激するときに、細胞質膜タンパク質であるDR5を含んだDISCを形成することを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Isolation of tryptophol as an apoptosis-inducing component of vinegar produced from boiled extract of black soybean in human monoblastic leukemia U937 cells2007

    • 著者名/発表者名
      Inagaki, S., Morimura, S., Gondo, K., Tang, Y.Q., Akutagawam H., Kida, K.
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 71(2)

      ページ: 371-379

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] エタノール発酵過程で生成するアポトーシス誘導物質・トリプトフォール2007

    • 著者名/発表者名
      稲垣秀一郎, 森村 茂, 権藤和修, 湯岳琴, 芥川浩志, 木田建次
    • 雑誌名

      日本醸造協会誌 102(3)

      ページ: 222-224

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi