研究概要 |
振動応答性チキソトロピーゲルを抽出発色媒体とした環境汚染物質の目視計測法を開発した。本研究において、界面活性剤および消毒剤の簡易迅速な目視計測法を確立した。以下にその概要を示した。 (1)陰イオン界面活性剤(AS) N-ラウロイル-L-グルタミン酸-α,γ-ジブチルアミド(LGBA)をo-ジクロロベンゼンに溶解してチキソトロピーゲルを調製した。試料溶液にメチレンブルーと緩衝液を加え、振とうした後、青く発色したゲル相の色強度を作成した標準色彩表をもとに目視計測した。またゲルをアルコールで溶解して吸光光度分析を行った。その結果、0.03-2.0mg/Lの濃度範囲で定量的にASが計測できることがわかった。 (2)非イオン界面活性剤(NIS) NISは始めにKイオン、ヘプタグリコールモノドデシルエーテルによりクリプテート現象を利用して陽イオン型包摂化合物を形成させる。これをチキソトロピーゲルに加え、さらにTBPE、緩衝液を加えて振とうした。青色に発色したゲル相の色強度からNISを定量する方法を確立した。0.005-2.0mg/Lの濃度範囲で定量的にNISが計測可能であった。 (3)消毒剤(CG) チキソトロピーゲルに医療用消毒剤(グルコン酸クロルヘキシジン、CG)を加え、さらにTBPE、緩衝液を加えることで、青色に発色したゲル相の色強度からNISを定量する方法を確立した。0.005-2.0mg/Lの濃度範囲で定量的にNISが測定できた。
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