| 研究概要 |
本研究の目指す成果は,既存のエネルギ機器,燃料電池,未利用エネルギ,自然エネルギ,新エネルギ機器などの複合利用,もしくはエネルギ・ネットワーク利用による協調運転制御の開発方法を提案することである。そこで前年度に実施した,(1)自然エネルギ機器及び未利用エネルギ機器の動特性の試験及び調査,(2)未利用・自然エネルギ機器を含む燃料電池システムの負荷応答特性の調査,(3)運転コストの最小化及び二酸化炭素排出量の最小化目的の下で,燃料電池システムを運転する際の運用計画の調査の結果に基いて,本年度は以下について実施した。
(1)寒冷地の戸建て住宅などに燃料電池システムを導入する際の,制御安定性と運用計画の調査。
(2)寒冷地での戸建て・集合住宅に燃料電池システムを導入する際の,電力及び熱出力に関する負荷応答特性が安定するための,制約条件と運用計画の最適化手法について報告。
これらの課題を検討し本年度は,燃料電池システム,未利用エネルギ,自然エネルギ,蓄熱槽などの熱機器の複数を組み合わせて運転する際の,電力及び熱エネルギ出力の過渡応答特性を調査して,システムの安定性と応答時間について明らかにした。さらに,この結果から,システムを安定して運転するための制御プログラムを開発し,運転コストの最小化と炭酸ガス排出量の最小化を目的関数とした運用計画について明らかにした。また,この制御プログラムを,北海道での戸建て住宅や集合住宅,小規模店舗,オフィスなどのエネルギ消費パターンに適用して,寒冷地での燃料電池コジェネレーションに要求されるシステムの運転コストと負荷応答特性について明らかにした。
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