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2006 年度 実績報告書

カーボーンナノチューブの電流限界に関する理論及びシミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 17510092
研究機関早稲田大学

研究代表者

松永 康  早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (70277838)

キーワードメゾスコピック物理 / ナノ構造物性 / カーボンナノチューブ
研究概要

本研究課題では伝導電流に起因する自己磁場の影響を、有限長のチューブに対して考察するため、系が本質的に3次元問題となり既存の1次元ナノチューブ伝導理論の適用が困難である。そこで上記2点の効果を取り入れるためカーティシャン座標系でのスラブモデルを設定し、電子の束縛状態の固有関数を近似的に解いた。有限の厚みのシートを設定し、シートを巻いたものがナノチューブとする。シートと平行方向に磁場を配置し、シートの中心面に原子核による正電荷を分布させ、スクリーニングの効果を取り入れ一様電場がある範囲だけ存在するとする。電場・磁場の両効果を取り込んだ一電子の波動関数は超幾何関数で表すことができ、これらの関数の各領域における接続条件とエネルギー固有値の条件によって決まる新たな束縛状態を発見した。そしてシートの中心面を挟んで正負の進行方向が異なるモードが存在する波数条件を見いだすことに成功した。この新たなランダウモードはチューブ長を固定するとある電流値以上で生じること、チューブ長と閾値電流の関係は電流の1/2乗の逆数にほぼ比例すること等がわかった。本研究の内容は早稲田大学で行われたシンポジウムで報告し、また成果を学術雑誌に投稿準備中である。
課題遂行途上で更に詳細な研究動向調査を行った結果、バリスティック伝導は、電流・電圧特性を直接観測した実験結果からは、光学フォノンによる散乱が大きいため、数十nmの短いチューブに対する限定的な現象である、と解釈する多くの報告があった。よって今年度途中からはバリスティック伝導は限定的であるとの認識に立ち研究の観点を変更した。現在は、我々が得たランダウモードが、閾値電圧を超えるとチューブが破壊される現象-breakdown-や、MWCNTやSWCNTバンドルでのチューブ殻が細ってゆく現象-thinning-、に対して与える影響に着目している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of optimum sheath electric field for selective production of metallic carbon nanotubes2006

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Matsunaga
    • 雑誌名

      Journal of Physics : Conference Series 31

      ページ: 187-188

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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