水と油がどちらも液滴にならず、両相が連続的につながった興味深い両連続相構造を取っている中間相マイクロエマルション(MPME)溶液を新しい反応場として、重合・ゲル化によるナノ連続多孔構造材料・ナノ有機複合材料の創成の研究を行った。 (1)モノマーを有機溶媒とするMPME系での重合 スチレンなどのモノマーを有機相とするMPME中で重合を行い、生じるナノ連続多孔構造などのナノ構造と重合条件との関連性を明らかにするべく、様々な条件で重合を行い、連続多孔構造をSEMを用いて検討した。重合条件により、ブロッコリー状構造、パーコレーション構造、液晶由来と考えられる板状構造などが制御できることが明らかになった。 (2)MPME系でのゲル化による連続多孔構造を持つゲルの作成 系にゲル化材を加えることで、ミクロ有機相とミクロ水相のどちらか、または両相を物理ゲル化することで、新しい連続ナノ多孔構造を有するゲルの作成を検討した。ヒドロキシステアリン酸を用いることで、ミクロ有機相をゲル化することに成功した。ゲル化後も両相の連続性が維持されていることを確認した。また電気化学的に固体表面の性質がMPMEゲルの表面構造にどのように影響するかが明らかになった。
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