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2006 年度 実績報告書

単分子観察法を活用したゲノムDNA二本鎖切断反応の速度解析と遺伝子活性

研究課題

研究課題/領域番号 17510102
研究機関名古屋文理大学短期大学部

研究代表者

吉川 祐子  名古屋文理大学短期大学部, 食物栄養学科, 教授 (80291871)

キーワードナノバイオ / 蛍光顕微鏡 / DNA二本鎖切断 / 単分子観察 / 遺伝子機能 / 放射線損傷 / 抗酸化物質 / DNA高次構造
研究概要

[計画]
遺伝情報を有するゲノムDNAは、各々の全長が数10μm〜数cmときわめて長い分子であり、細胞の機能にはこのような長いDNA分子の特質が関与していると思われる。本研究では、活性酸素等による長鎖DNAの二本鎖切断反応を、蛍光顕微鏡を用いた単分子観察法により"その場"観察し、種々の生理活性物質によって二本鎖切断反応がどの程度抑制されるのかを系統的に解析する。さらに種々の抗酸化物質を含む環境条件下における遺伝子活性を測定する。
[研究経過および成果]
1.生体中に最も豊富に存在する1価のイオンであるNaとKイオンについて、DNAの凝縮転移への影響を、単一分子観察により調べたところ、Naの方が、DNA凝縮を抑制する効果が大きいことが明らかとなった。DNAの折り畳み構造には、NaやKも含めた細胞内イオン環境が重要な因子になることが示唆された。ヒトゲノムには、機能未知の、いわゆる"ジャンクDNA"と言われる領域が97%も存在しており、そのような領域が遺伝子機能とどのように関わっているのかは、現代でも学問的な謎である。"ジャンクDNA"について、"自己組織化"や構造の多様性と関連させて、その機能や役割を調べることは、今後に残された興味深い研究課題であると考える。
2.DNAの高次構造と放射線損傷との関係を追究した。スペルミジンで凝縮させた長鎖DNAは、放射線による二本鎖切断を顕著に抑制することが明らかとなり、現在論文にまとめている。細胞内で、DNAは核タンパク質やポリアミン等により高度に凝縮しており、そのような折り畳み構造が、放射線に対する感受性と深く関わっていることが示唆された。
3.放射線等によって引き起こされる長鎖DNA二本鎖切断が、フラボノイド類や抗酸化ビタミン類によってどの程度抑制されるかの実験を、現在進めている。遺伝子活性とも関連させてまとめる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 自己組織化するDNA2007

    • 著者名/発表者名
      吉川祐子
    • 雑誌名

      現代化学 431

      ページ: 14-19

  • [雑誌論文] Na^+ more strongly inhibits DNA compaction by spermidine (3+) than K^+2006

    • 著者名/発表者名
      K.Hibino
    • 雑誌名

      Chem. Phys. Lett. 426

      ページ: 405-409

  • [雑誌論文] Quantitative analysis of double-strand break in giant DNA by single-molecule observation2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Yoshikawa
    • 雑誌名

      Proc. XIII Congress of the Society for Free Radical Research International-SFRR 2006

      ページ: 341-344

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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