研究課題
高密度情報記録システムとして検討されている垂直磁気記録方式の中で、現状のCo-Pt-Cr-0やCo-Pt-Cr-SiO_2に替わる超500Gbit/in^2を目揖す記録媒体としてCo-Pt-oxide(SiO_2以外)グラニュラ型媒体を提案した。この媒体に要求される特性(課題)は、次の通りである。(a)低ノイズ化のため、磁気的に完全に分離したナノコンボジット構造であること(b)記録分解能向上のため、結晶粒子サイズが微細で均一であること(c)熱安定性確保のため、磁気的エネルギが大きいこと(d)急峻な磁界による記録感度向上、記録のしやすさ向上のため、下地層厚が薄いことこれらに対する解決策として次の提案をした。(1)磁性結晶として磁気的エネルギの大きなCo-Pt膜を採用(2)SiO_2以外の酸化物(特にTiO_2)との複合化でより完全な磁気的分離構造を実現(3)中間層のグラニュラ化により中間層厚を低減まず、Co-Pt材料は成膜プロセス(主にガス圧力)を最適化することで、従来のCo-Pt-Crより磁気異方性エネルギが大きく(6x10^6 erg/cm^3、従来のCo-Pt-Crでは1-4x10^6 erg/cm^3)、記録媒体に適する条件が判明した。次にTiO_2はGibbsの標準生成エネルギが負に大きく、Co-Pt膜中において化学量論組成に近い組成をその成長初期段階から保っており、より完全な酸化物として存在していることが種々の解析から判明した。他の酸化物では、不完全な酸化状態や、酸素リッチあるいは逆に金属リッチな構造であり、磁気異方性エネルギが低下した。さらに中問層の最適化を図り、微細結晶粒子が平均6.4nm、サイズ分布が15%程度の微細で均一な記録膜を作製することに成功した。さらなる下地層厚の低減については、今後の検討課題である。
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IEEE Trans. Magn., Vol.43(未定)
日本電子ユーザーズミーティング資料
第47真空に関する連合講演会講演予稿集
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