研究課題/領域番号 |
17510105
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
櫻井 健次 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, ディレクター (00354176)
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研究分担者 |
江場 宏美 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 研究員 (90354175)
水沢 多鶴子 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 特別研究員
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キーワード | 多結晶 / 不均一系 / X線回折イメージング / 動画イメージング |
研究概要 |
X線回折法により不均一な多結晶試料の構造情報の画像化を行う場合、試料上の各点について回折図形を得るため、微小なビームによるXY走査と回折ピークを得るための2θ走査(またはθ/2θ走査)が必要である。1次元または2次元検出器を使うことにより、後者の走査は省略可能であるが、それでも測定時間は膨大なものとならざるを得ない。本研究では、そのいずれの走査も廃止し試料も検出器も完全に固定した状態でイメージングを行うことができる新技術(反射投影型、申請者らが1998〜2004年に考案・開発)を活用し、きわめて迅速なイメージング、特に試料の環境パラメータの変化に対応した動画イメージングを実現することを目的としている。平成17年度は、X線回折イメージング装置に搭載可能な加熱・冷却ステージを製作し、高エネルギー加速器研究機構の放射光研究施設BL-16A1において組み立て、調整を行い、実際に試料の温度を変化させながら連続撮像を試みた。氷の結晶の動画回折イメージングはその一例である。大気中でステージ表面を-15℃に保つと、大気中の水蒸気が霜として付着するが、その後、ステージの温度を0度付近まで上昇させると、強い回折ピークを呈していた氷の結晶が融解し、その際に、逆に別な部分が固化し、比較的大きな氷の結晶を作る過程も認められるが、やがて、全体が融解し、回折強度はほとんど観測されなくなる。その後、再び-15℃まで急冷すると、小さな結晶が大量に作られる様子が画像上で認められる。融解時とは異なり、回折強度はそれほど強くならないが、冷却時間の経過とともに徐々に強度は回復する。こうした過程を1秒単位で連続的に取得した1000x1000のX線画像群により解釈することができた。
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