研究課題/領域番号 |
17510105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
櫻井 健次 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ビームセンター, グループリーダー (00354176)
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研究分担者 |
江場 宏美 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ビームセンター, 研究員 (90354175)
水沢 多鶴子 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ビームセンター, 研究業務員
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 多結晶 / 不均一系 / X線回折イメージング / 動画イメージング |
研究概要 |
伝統的なX線回折法を、試料の平均的な回折図形にとどめず、不均一な系をありのままに扱える顕微鏡技術として発展させ、更に時間軸を持つ動画として用いることができるようになれば、単に結晶構造を解明し、あるいは確認・同定するような静的なレベルの解析ではなく、「ものをつくる」過程、あるいは「機能が発現する」過程をそのまま見ることができるスーパーツールとしての応用を視野にいれることさえ可能になると考えられる。本課題では、「不均一系」「動画」のような新しい観点のもとで、時間と空間の両方の分解能を持つ独自のX線イメージング技術(特許3049313号、3663439号、3834652号他)を駆使し、加熱・冷却や化学反応によって生じる試料の変化を明らかにすることを試みた。これまで静止画しか知られていなかった分野で初めて動画撮像を試みるといった新規な研究には高強度の光源を採用する必要があり、高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所の多極ウィグラーを備えたBL-16Alを活用し、平成17年の11月、12月、平成18年の2月(2度)、4月、5月の合計6回の実験を実施することができた。第1年目の平成17年度は、試料上の位置と1対1対応するX線回折イメージを連続的に撮像することのできる測定システムを完成させ、加熱・冷却試料ステージを製作し、実際に組み付け、X線回折動画イメージング実験を試行するところまで進めた。得られる画像の画素数は、1000×1000、空間分解能は10〜30ミクロン、撮像の時間ステップは10ミリ秒〜10秒程度であった。第2年目の平成18年度は、平成17年度に完成させた測定系を活用し、大気圧下、-150C〜40℃の間で起きるさまざまな変化(溶液反応による結晶析出、霜や氷の成長変化、液体金属の凝固)や電気分解による変化を観察し、X線回折像の変化として記録することに成功した。
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