研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、発熱体の位置と発熱体の空間的広がりという画像特徴量を計測するための空間信号処理機能を、センサからのアナログ信号をそのまま使って実現できる非冷却赤外線アレイセンサを開発することである。平成17年度には、考案したデバイスが、通常のCMOSプロセスで製造可能で、実用上十分な性能が期待できることを設計検討で確認したが、平成18年度は、平成17年度の成果を踏まえてプロトタイプ非冷却赤外線アレイセンサを試作して、期待していた機能が実現できることを実証した。非冷却赤外線アレイセンサの試作は、CMOSプロセス製造ラインを保有する企業の協力を得て行った。試作した素子は、500mm×500mmの大きさの画素を10×10画素配列したもので、温度センサとしては、CMOSプロセスで作製することができるp型ポリシリコンとアルミニウムを用いている。面積が300mm×300mmの受光部分は、4本の長さ75mmの支持脚でシリコン基板内に設けた空洞の上に保持された構造を有している。空洞の形成は、平成17年度立ち上げたXeF_2ガスを用いたエッチングにより行った。それぞれの支持脚には、空洞上の受光面に配置した温接点と、基板が残っている部分に設けた冷接点の問を往復する熱電対配線が25対レイアウトされており、50対の熱電対を1つの温度センサとして、各画素に行用と列用の2個の温度センサを設けている。行用の温度センサは、各行直列に接続され、列用の温度センサは各列直列に接続されている。試作した素子について、画素に設けたポリシリコン抵抗体を通電加熱することで、期待通り発熱体の位置の特定と発熱体の空間的広がり計測の機能が実現できることを確認した。今年度は、本研究の基本となるアイデアをまとめて特許を出願し、JSTの援助を受けて海外出願も準備中である。
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電気学会英文論文誌A (採択決定)
IEEJ Transactions on Fundamentals and Materials, accepted
Elsevier Science Ltd. (in press)
映像情報メディア学会誌 60巻10号
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Proceedings of SPIE 6206巻
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Proceedings of IEEE Sensors 2006 (CD)
The Journal of the Institute of Image Information and Television Engineers Vol. 60
Proceedings of SPIE Vol. 6206
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Proceedings of IEEE Sensors 2006 (CD-ROM)
Japan Patent Pending 2006-143965