研究概要 |
コンピュータシミュレーションは、近年の技術開発、設計段階において、スピードアップ,コスト削減等に多大な貢献をする。これは、実際に物を作って実験をするのは最後だけにして、コンピュータ上でのシミュレーションにより実験を行うことが多いからである。コンピュータシミュレーションによる設計の最適化において、本研究では次の(a),(b)について取り上げた。以下、本年度の成果を下記に示す. (a)シミュレータの妥当性検証方法 製造業の技術者等との意見交換により、コンピュータシミュレーションの妥当性確認がコスト、時間等どのような制約で行われているかを調べた。そしてその調査結果をもとに、統計的な方法が具備すべき条件を明確化し、それに基づいて逐次実験のアルゴリズムや、新たな計画の基準を提案した。さらに、シミュレータの調整パラメータの影響を考慮する必要があることから、それに関する実験計画の基準を提案した。 (b)シミュレータの活用による設計の最適化 これについては、応答に影響を与える主要な因子を絞り込むスクリーニングと、応答と因子の関係の近似について着目している。前者のスクリーニングに際しては、典型的には一部実施実験計画とステップワイズ変数選択が良く用いられるが、このアプローチでは取り上げられる因子数に限界がある。そこで,過飽和実験計画を用い,それに基づいてステップワイズ変数選択をする方法を示した。この方法は、ある選択原理に基づくものである。また正しい選択となる確率を評価した。一方後者の近似に関しては、典型的には複合計画と2次モデルによる近似を超えた方法として、一様計画の応用を示している。 なお、上記(a),(b)については、現在論文を投稿したものや、投稿準備中ものがある。
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