研究概要 |
コンピュータシミュレーションは、近年の技術開発、設計段階において、スピードアップ,コスト削減等に多大な貢献をする。これは、実際に物を作って実験するのではなく、コンピュータ上で模擬的に実験を行うためである。本研究では、このコンピュータシミュレーションによる技術開発・設計を促進するべく、統計的な技法を中核とした分野横断的な最適化方法を提案している。その中において主題の一つは、コンピュータシミュレータの開発段階における妥当性検証方法である。これは、製造業の技術者等との意見交換により、コンピュータシミュレーションの妥当性確認がコスト、時間等どのような制約で行われているかを調べ、統計的な方法が具備すべき条件を明確化し、それに基づいて逐次実験のアルゴリズムや、新たな計画の基準を提案している。また、開発したシミュレータを有効活用するべく、応答に影響を与える主要な因子を絞り込むスクリーニングと、応答と因子の関係の近似について着目している。前者のスクリーニングに際しては、典型的には一部実施実験計画とステップワイズ変数選択が良く用いられるが、このアプローチでは取り上げられる因子数に限界がある。そこで,過飽和実験計画を用い,それに基づいてステップワイズ変数選択をする方法を示している。この方法は、ある統計的選択に用いられる遺伝原理、低次数原理である。一方後者の近似に関しては、典型的には複合計画と2次モデルによる近似がよく用いられる。本研究ではこれを超えた方法として、一様計画の応用を示している。
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