不均質なデータを、均質なデータ群から成るいくつかに分類しながら、不完全データのパラメータ推定や検定問題をそれぞれのデータ群により行うことと同時に進めることで、現実の問題により対処できる高精度の解析法を確立することが目的である。この目的のために、データマイニング手法と不完全データ解析法との融合をはかる研究を始めた。不完全データを扱う新モデルとして提案しているtrunsored modelを、信頼性工学分野をはじめとして医学薬学分野においても、寿命推定やその関連分野について研究範囲を広げることを行ってきた。このtrunsored modelに、決定木による分類を加えた精密な推定問題の解析法を構築するため、17年度は、主に決定木の分類問題への取り組みについて注力し、18年度は、分類困難なデータ分類問題にbump hunting法を用いて解決する方法と分類精度について研究成果を出した。19年度は、実際のフィールドデータを用いて、劣化要因を説明変数としたとき劣化の主要因を分類した後に寿命推定を行う方法についてその方法論を示した。この成果を信頼性学会シンポジウムで発表し、続いてtrunsored modelと決定木とを融合した精密な解析法を論文誌に発表した。一方、trunsored modelを拡張した混合trunsored modelを、epidemiology関連分野でのSARS拡散モデルにも適用し、その結果を論文誌に発表した。また、その際にtruncated modelにおけるサンプル数の推定についての問題点についても研究会で指摘した。これらのことから、当初の目的を十分な成果を上げることができたと考える。
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