研究概要 |
本年度の第1の目標としていた1期間モデルの多期間モデルへの拡張については,6月にパリで行われた9th Annual International Conference on Real Optionsでの研究発表"A Multi-stage Investment Game in Real Option Analysis"をはじめとして,国内の学会・研究会で3件,国際学会・シンポジウムで3件の研究報告を行った.これらの研究発表後に,その他の研究者と討論を重ねることで,ワーキングペーパー"A Numerical Approach for Real Option Values and Equilibrium Strategies in Duopoly"を作成し,現在査読中である.1期間のモデルに関しても,ワーキングペーパーの改訂を行い,それぞれ査読論文「戦略的思考を取り入れたリアル・オプション-離散2時点モデルによる分析-」"A Two-stage Investment Game in Real Option Analysis"として投稿,現在査読中である.リスク管理という観点から、渡辺は「企業の社会的責任と情報公開-ゲーム理論の観点から」を発表した。 また,8月4日-6日に岩手県立大学において,「競合状況下の定量的リスク評価法-リアル・オプションとゲーム理論による事業評価-」と題したワークショップを行った.ワークショップでは,研究代表者の古川を大会オーガナイザーとし,初日のチュートリアルセッションから,これまでの成果の発表,これからの研究課題とその実現性について,ワークショップ参加者との議論を重ねた. 一方,リアル・オプション・アプローチやリアル・オプションとゲーム理論の融合研究の普及に関しても,積極的に取り組む必要があることから,実務家向けのセミナーの講演や本の執筆などをおこなった. 本研究では,事業評価も重要なキーワードであるが,わが国でも事業評価には,新しい会社法の成立が大きなインパクトを与えると見られる。そこで,古川は,会社法の成立が企業行動にどのような影響を与えるかをまとめて報告した。
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