研究概要 |
本研究は後続車に追突されないための追突防止システムの視覚情報提示がどうあればよいかをドライビングシミュレータを用いて実験的に検討するものである.18年度の結果から必要な制動操作量を制動ランプの面積に反映する視覚情報システムが有効であることが明らかとなった。19年度は,18年度の実験データを含めて,ニューラルネットワークを用いて時系列に変化する制動動作を解析し,人間の減速における知覚特性の検討や人間の認知・判断から追突防止システムの評価を明らかにすることを目的とした. 平成18年度の実験データを含めた相対速度,車間距離,相対減速度を用いて,ニューラルネットワークによる動作解析を行った。解析方法は出力誤差を入力側に伝播させ,学習後のニューラルネットワークを因子分析し,中間層の結合荷重の大きさを出力側から調べた。これより,出力に対する入力の影響の度合いを運転者の制動に対する要因のプライオリティとして求めることにより,時系列に変化する制動動作を見出し,減遠の知覚および制動開始の認知を総合的に検討した. その結果,運転者は車問距離と相対速度を入力情報として制動していることが明らかとなった.このことは衝突車間時間(TTC)に関わり,実際の衝突時間に関わる減速度を入力の視覚情報として見ていないためギャップを生じる.このギャップを埋める動作として運転者は,減速度を大きくして調節することとなるが,最初から減速度が大きいとこの調節が頭打ちとなり,危険になる可能性がある.人間は大きな減速をする場合,ブレーキ制御が難しくなることを示唆した
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