研究概要 |
本年度はEMoCAと呼ばれる本研究のフレームワークを発展させた。それを用いて主に,ターゲット市場での消費者行動と,ロックイン現象を対象にして,それらを分析した。 ターゲット市場の消費者行動分析に関しては,分析者として実際に市場状況を把握したいユーザーを想定して,分析のための仕様を抽出した上で,分析ツールとしてのシステムを開発することを試みた。仕様では,消費者属性や商品属性について一定の自由度を持たせて,ユーザーのニーズに応えられるものとした。 ロックイン現象については,メモリカード市場の現況に即して,企業の技術革新および企業の技術開発と他社の技術への追随を表現したエージェントモデルを構築した。特に,商品市場への企業の新製品投入に関して,各企業の技術革新に基づいた投入関数をモデル化した。これにより,リーダー企業やフォロワー企業等の技術革新の質的,量的差異を表現した。また,消費者の行動に関して,新技術を利用した商品の評価属性と評価値を考慮した消費者エージェントをモデル化した。
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