研究概要 |
本研究の目的は,歩行者,自転車利用者等が歩道や道路を通行中に起こす交通事故の危険度を予測するための交通シミュレーションシステムを開発することである。そのために平成17年度は以下を実施した。 (1)行動モデルの確立 本システムを開発するために,歩行者,自転車利用者,自動車運転手の行動モデルを確立した。従来,交通事故を起こしたオートバイや自動車の運転手の行動の多くは,ルール違反行動や「だろう」行動として説明されてきた。歩行者や自転車利用者の行動にはそれらに加え,「つもり」行動(左右確認したつもりで道路を横断する)や「ながら」行動(自転車で話ししながら通行する)等があり,それらを行動モデルとして,定式化した。 (2)シミュレーションシステムの構築 本システムはデータ構築部と模擬部,事故表示部の3モジュールからなる。データ構築部は地図データの入力や歩行者,自転車,自動車等の通行情報の入力および歩行者や運転手の行動モデルの入力を行なう。模擬部はミクロシミュレーション手法を用い,交通の模擬を行なう。事故表示部は事故の様子を3次元表示する。また,模擬地域全体の交通事故ハザードマップを作成する。本年度は3モジュールのうちの模擬部に重点を置き,開発を進めた。
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