研究課題
基盤研究(C)
1999/2000年以降モンゴル国では、3年連続して夏の干ばつと続くゾド(寒雪害)に見舞われて全家畜頭数のうち29%が失われ、多くの牧民は貧困状態に陥り、健康・教育レベルの低下や都市への人口集中を招いた。本研究はモンゴル気象庁気象水文研究所との協力体制のもとに、このような自然災害への対策の一環として以下の研究を実施した。牧畜気象学的データベース(気象、土壌、植生、家畜に関するデータ)を作成、解析することより、自然災害の早期警戒システム(Early Warning System以下EWSと略)の基礎となる知見を得ることを目的とし、以下の作業を行った。1.モンゴル気象庁のデータを利用した牧畜気象データベースの作成(過去約10年分のデータ収集、入力、品質管理)。2.EWS構築に必要な、干ばつとゾドの発生メカニズに関する基礎的な研究を実施し、発表した。主な成果は以下のとおりである。(1)モンゴルにおける干ばつ・ゾド研究の過去のレビュー及び研究・観測体制の現状把握(2)モンゴル草原における植物のフェノロジーと水分条件の関係(3)モンゴルの野生動物ガゼルと家畜の食性の比較(4)家畜の健康状態と環境要素に関する解析
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