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2005 年度 実績報告書

哺乳動物の冬眠発現制御におけるクロマチンレベルでの転写調節の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17510160
研究機関北里大学

研究代表者

高松 信彦  北里大学, 理学部, 助教授 (40206876)

研究分担者 伊藤 道彦  北里大学, 理学部, 講師 (90240994)
キーワード遺伝子発現 / 転写調節 / CpG配列 / メチル化 / USF / 冬眠
研究概要

冬眠哺乳動物シマリスの冬眠特異的遺伝子HP-20,HP-25,HP-27は肝臓特異的に発現しており,冬眠時には転写が抑制されている。HP-27遺伝子の転写はプロモーター領域に結合する転写因子USFによって活性化される。本年度は,生体におけるHP-27遺伝子の肝臓特異的な転写活性化および冬眠に伴う転写調節におけるUSFの役割について解析した。
まずシマリスにおける転写因子USFの発現組織についてウエスタン解析により調べた。その結果,USFは遍在的に発現しており,肝臓におけるUSF量には,非冬眠時と冬眠時とで大きな差がないことが明らかになった。次に,クロマチン免疫沈降法により,シマリス生体においてUSFがHP-27遺伝子の転写に関与しているかどうかを調べた。その結果,HP-27遺伝子を発現している肝臓ではUSFはHP-27遺伝子のプロモーター領域に結合していたが,非発現組織の腎臓,心臓などではUSFの存在にも関わらず,USFはHP-27遺伝子のプロモーター領域に結合していなかった。冬眠時にはHP-27遺伝子の転写は抑制されているが,冬眠時においても肝臓ではUSFはHP-27遺伝子のプロモーター領域に結合していた。USF結合配列CACGTGはCpG配列を含むので,この配列のメチル化状態を肝臓,腎臓,心臓について比較した。腎臓,心臓では高メチル化であったが,肝臓では非冬眠時,冬眠時とも低メチル化であった。in vitroでの解析の結果,USF結合配列のメチル化によりUSFの結合は阻害され,USFによる転写活性化が抑制されることが明らかになった。従って,HP-27遺伝子の肝臓における転写はUSFによって活性化され,肝臓以外の非発現組織ではUSF結合配列のメチル化によりUSFの結合が阻害され,転写が抑制されているが,冬眠に伴う転写調節はこれとは異なる機構によると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] CpG methylation at the USF-binding site is important for the liver-specific transcription of the chipmunk HP-27 gene.2006

    • 著者名/発表者名
      Gen FUJII
    • 雑誌名

      Biochemical Journal 395・1

      ページ: 203-209

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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