研究概要 |
ビフィズス菌は整腸作用、免疫活性化作用、皮膚アレルギー低減など多くの健康にプラスの作用を持つことが知られている。その中でB.adolescentisは、B.longumと共にヒトの糞便中で最優勢であると報告されており、また、これまでにゲノム解析が行われた菌株とは異なるサブグループに属している。我々は、本菌に注目し、その基準株であるATCC15703株のゲノム解析を行った。 本研究においては、はじめに2kbのインサートを持つプラスミドライブラリーを取得しホールゲノムショットガン法を行った。その結果得られた約300個のコンティグについてその連結と空白域の塩基配列の決定を35kbのインサートを持つフォスミドライブラリーを取得しシーケンシングとプライマーウォーキングによって行った。 その結果、本菌のゲノムの総塩基数は約2.08Mbpであり、推定ORF数は2,094個、53個のtRNA、6コピーのrRNAオペロンが存在していることが明らかになった。 CDS解析の結果、本菌は、B.longumと同様に高度な多糖の代謝系を有していたが、B.longumやB.infantisでビフィズス菌特有の糖代謝系として報告されている、ラクト-N-ビオースホスホリラーゼ、1,2-α-L-フコシダーゼ、エンド-α-N-アセチルガラクトサミニダーゼは、存在していなかった。
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