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2006 年度 実績報告書

2D-DIGE法およびQ-Trap型質量分析によるプロテインキナーゼD基質の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17510167
研究機関熊本大学

研究代表者

入江 厚  熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 講師 (30250343)

キーワードプロテオミクス / PKC / PKD / リン酸化タンパク質 / T細胞 / ZAP-70 / シグナル伝達経路
研究概要

申請者らは抗原ペプチドのわずか1アミノ酸残基を置換したアナログペプチドの刺激により、ZAP-70の活性化を伴わない強いT細胞応答が誘導されること、およびこのT細胞応答にセリンスレオニンキナーゼであるプロテインキナーゼD(PKD)の活性化が関わることを報告している。PKDファミリーキナーゼには、PKD1〜3の3種の存在が知られている。界面活性剤入りバッファーで可溶化したT細胞を、PKDに対する特異的な抗体で免疫沈降を行ない、Maldi-四重極-飛行時間(Q-TOF)型高感度質量分析装置を用いた解析を行ったところ、T細胞に主に存在するPKD分子はPKD2であることを明らかにした。
T細胞活性化機構におけるPKD2の役割を調べる目的で、常時活性型PKD2を強制発現させたヒトT細胞を、抗T細胞抗原受容体(TCR)抗体を用いて刺激し、その可溶化物より総リン酸化タンパク質を分画した。このリン酸化タンパク質分画を二次元電機泳動により展開し、そのパターンを、PKD2を導入していない対照T細胞のものと比較した。その結果、2種類のリン酸化タンパク質について、常時活性型PKD2を発現するT細胞において著明に増加することを確認した。これらのタンパク質スポットをゲルより回収し、トリプシン消化後、質量分析法により分子種を同定したところ、いずれもヒストンのアセチル化の制御に関わるリン酸化核タンパク質であるSETおよびpp32であることが判明した。SETのcDNA全長をクローニングし、大腸菌を用いてそのタンパク質を調製し、実際にPKD2の基質となるかどうかの確認を行なったところ、PKD2により特異的にリン酸化されることを確認した。大腸菌により調製した種々のSETのセリン/スレオニンの変異体および質量分析計による解析から、PKD2およびPKCにより特異的にリン酸化されるSETのセリン残基を同定した。今後、これらのセリン残基のリン酸化がT細胞の活性化にどのような影響を及ぼすのか解析を行ない、自己免疫疾患などの好ましくないT細胞応答を制御する創薬などを視野に入れて研究を行なう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] TCR ligand avidity determines the mode of B-Raf/Raf-1/ERK activation leading to the activation of human CD4+ T cell clone.2006

    • 著者名/発表者名
      Tsukamoto, H. ほか
    • 雑誌名

      Eur.J.Immunol. 36

      ページ: 1926-1937

  • [雑誌論文] Elevated plasma osteopontin levels were associated with osteopontin expression of CD4^+ T cells in patients with unstable angina.2006

    • 著者名/発表者名
      Soejima, H. ほか
    • 雑誌名

      Circ.J. 70

      ページ: 851-856

  • [雑誌論文] Protein kinase D2 contributes to either IL-2 promoter regulation or induction of cell death upon TCR stimulation depending on its activity in Jurkat cells2006

    • 著者名/発表者名
      Irie, A. ほか
    • 雑誌名

      Int.Immunol. 18

      ページ: 1737-1747

  • [図書] 細胞工学、放射性ATPを用いた二次元電気泳動法によるin vitroキナーゼアッセイ2007

    • 著者名/発表者名
      入江 厚
    • 出版者
      秀潤社(印刷中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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