研究課題/領域番号 |
17510169
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
猿渡 茂 北里大学, 理学部, 准教授 (00265729)
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研究分担者 |
輪湖 博 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60158607)
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キーワード | タンパク質複合体 / 基準振動解析 / 2面角 / 内部運動 / 外部運動 / Eckert条件 / 回転ベクトル / ProMode |
研究概要 |
タンパク質の動的構造に関して、立体構造データベース(PDB)を基にした2次情報データベースとして、基準振動データベースProModeが構築されつつある。ProModeをより充実させるためになるべくもれなくPDBにあるタンパク質複合体の基準振動解析ができるようにプログラムを整備した。配列の途中に座標データがない立体構造の不定領域があるタンパク質に対してはこれまで解析ができなかったが、複数の分子鎖からなる複合体として解析できるようにした。 一般に複合体の基準振動解析では、Eckart条件を複合体中のある1つの分子に限って適用することにより、その分子の重心を固定したときの重心に対する各原子の相対変位(内部運動)が求められる。複合体全体の基準振動から内部運動を差し引いたものが外部運動で、分子中のすべての原子の外部運動を平均することにより分子の重心運動の並進・回転成分を定義して解離会合モードを解析した。解析した数10種類のプロテアーゼ-阻害剤複合体や抗原抗体複合体では有意の並進成分を持つモードはほとんど存在せず、回転成分は少数のモードにのみ偏在しており、その分布から複合体の動的構造を分類できることが示唆された。 C_α原子の座標だけを用いるデカルト座標系の弾性ネットワークモデルと比べてより精密な、全原子を対象とする2面角座標系の弾性ネットワークモデルによる基準振動解析のプログラムはほぼ完成した。 タンパク質複合体の基準振動のデータベースの作成。解析結果をProModeに登録して公開するにあたり、複合体全体のデータに加えて各分子毎の内部運動と外部運動及びそれらの相関を並べて表示する等の機能をデータベースサーバーに付け加えた。
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