研究概要 |
未利用植物資源調査を行い北方系未利用植物あるいはアイヌ民族により利用された植物から神経栄養因子、アセチルコリンエステラーゼ、チューブリン、アクチンを分子標的とするスクリーニングを行い、新規骨格を有する機能性アルカロイド分子を探索した。特に、ユズリハ、ハイイヌガヤ、リコポジウムに含有される新規骨格をもつ多環性含窒素天然物の機能性を解明するとともに、新骨格を有する機能性アルカロイドを探索した。 北海道で採集した、アルヒカズラLycopodium complanatumよりアストロサイトーマ細胞から神経栄養因子分泌促進活性を示す新規アルカロイドcomplanadine Bを単離し、構造を解明した。また、マンネンスギLycopodium obscurumより、obscurumine A,Bと命名した新規C16Nリコポジウムアルカロイドを単離し、構造を解析した。さらに、スギカズラLycopodium annotinum、タカネスギカズラLycopodium annotinum var. acrifolium単離した新規アルカロイドlannotinidine類は、NGFのmRNAの発現量を増加させた。一方、ヤチスギランLycopodium inundatumより新規アルカロイド、lycopodatine類を単離し、構造を明らかにした。 沖縄で採集した、ヒメユズリハDaphniphyllum teijsmaniiより5環性の新規骨格のアルカロイドdaphmanidin C,Dを単離し、NGFの生合成を活性化することを見出した。また、北海道で採集したイチイTaxus cuspidataより新規タキソイドtaxezopidine MおよびNを単離し、チューブリン重合促進作用を有することを見出した。
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