研究課題
基盤研究(C)
免疫増強活性を持つ細菌細胞壁成分ペプチドグリカン(PGN)について、PGN受容体であるNod1、Nod2あるいはToll like receptor(TLR)2による認識機構解明を目指し、PGN部分構造・標識体を合成した。またそのPGNの糖鎖-ペプチド鎖複合構造構築のための合成手法の開発を行った。すなわち、Nod1のリガンドであるγ-D-グルタミル-ジアミノピメリン酸(iE-DAP)について、まずDAPの光学活性体の分離方法について条件を確立し、各鏡像体を分離して、その活性を測定するとともに、光学活性DAPを用いた4種のiE-DAPの合成、それらの活性測定を行い、光学異性体の活性の違いを初めて明らかにした。また、光学活性な天然型iE-DAPを効率的に合成することを目的とし、光学活性体を選択的に得るためのDAP誘導体新規合成法を確立した。受容体Nod1による認識機構の解析と細胞内での局在の観測を目指し、IE-DAPの蛍光標識化を行いNod1刺激活性を保持した標識体の合成に成功した。Nod2のリガンドであるムラミルジペプチド(MDP)についても、認識機構及び細胞内における挙動の観測のため、MDPの蛍光標識体の合成を目指してリンカー部の導入の検討を行い、合成法を確立するとともに標識体を得た。また、MDPの、抗体産生を促進する免疫増強アジュバント活性に注目し、免疫増強アジュバントとしてMDP類縁体、抗原として細菌由来細胞表層多糖成分をキャリアタンパク質に結合させた合成糖鎖ワクチンの開発を試みようとしているが、免疫増強アジュバントとして種々の6-O-acyl-MDP構造にキャリアタンパク質結合のためのリンカーを導入した化合物の合成に成功した。
すべて 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (22件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)
Journal of Biological Chemistry 282
ページ: 11757-11764
J.Biol.Chem. 282
Journal of Biological Chemistry 281
ページ: 29054-29063
J. Immunol. 177
ページ: 1796-1804
Biochim Biophys Acta 1762
ページ: 794-801
J. Dent. Res. 85
ページ: 524-529
Organic & Biomolecular Chemistry 4
ページ: 232-242
Journal of Biological Chemistry (in press)
The Journal of Experimental Medicine 203(1)
ページ: 203-213
Tetrahedron Letters 47
ページ: 539-543
Org.Biomol.Chem. 4
J.Biol.Chem. 281
Biochim.Biophys.Acta 1762
J.Immunol. 177
J.Dent.Res. 85
ページ: 7747-7755
J.Exp.Med. 203
Tetrahedron Lett. 47
Cellular Microbiology 7
ページ: 675-686
Journal of Endotoxin Research 11
ページ: 341-347
Blood 106
ページ: 2551-2558