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2005 年度 実績報告書

マイノリティとしての「ロマ」と「ユダヤ人」の比較研究-中欧の事例-

研究課題

研究課題/領域番号 17510201
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 雪野  東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (40226014)

キーワードロマ / ユダヤ人 / マイノリティ / 中欧 / チェコ:スロヴァキア
研究概要

現在、世界各地に居住している民族的マイノリティ・グループである「ロマ」と「ユダヤ人」について、他者(非ロマ、非ユダヤ人)との関わりの歴史と現状の調査を主としてチェコに関して実施した。現地調査においては、関連文献の収集の他、ロマ系のNGO(アティンガノイ)、チェコ系のNGO(多文化センター、「新しい学校」)、国際NGO(オープン・ソサエティ・ファンドなど)のチェコ事務所などでヒアリングを行った。10年以上の活動実績を持つNGOも多く、最も成果をあげている分野は、ロマ系児童の就学前教育や補習に関するものである。ロマに比べて、ユダヤ人は数が少なく、また必ずしも援助を必要としているわけではないので、チェコ系団体で直接ユダヤ人関連の事業を行うところは少なく、むしろユダヤ人自身が自助的に自らの宗教・文化を維持し、権利拡大を求める活動をしているようである。また、第二次世界大戦中にホロコーストを体験した民族同士として、ユダヤ系団体が、ロマに関する展覧会、出版活動も行っている。
文化面に関しては、プラハ最後のドイツ語作家として知られるレンカ・ライネロヴァーの著作を収集し、彼女の著作を通じ、ユダヤ人アイデンティティと多数派との関わりを検討中である。また、ユダヤ系のクレズマ音楽とハンガリー系ロマの「ジプシー音楽」には旋律や楽団編成に類似性がみられるが、これは、両者の音楽家達が、それぞれ地理的に近い地域を移動しながら、多数派の人々の祝祭のために演奏したという事情によるのかもしれない。なお、これまでご助言いただいていたチェコのロマ研究者ミレナ・ヒュプシュマノヴァー氏が、2005年9月、不慮の死を遂げられ、今後はそれがかなわなくなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] マイノリティとしてのチェコのロマ-非ロマとの関係をめぐって2006

    • 著者名/発表者名
      佐藤雪野
    • 雑誌名

      東欧の20世紀(高橋秀寿、西成彦編)(人文書院)

      ページ: 126-156

  • [雑誌論文] Jak se studuje obor turismu (cestovniho ruchu) na japonskych univerzitach?2006

    • 著者名/発表者名
      Yukino SATO
    • 雑誌名

      Problematika vysokoskolskeho vzdelavani pracovniku cestovniho ruchu v Evropske unii na pocatku tretiho tisicileti, Praha : VSO (印刷中)

  • [図書] 国際政治事典(項目分担「スロヴァキア」「チエコ」「ビロード革命」「プラハの春」)2005

    • 著者名/発表者名
      猪口孝他編
    • 総ページ数
      1183(5)
    • 出版者
      弘文堂

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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