研究課題
基盤研究(C)
本研究は、アジア太平洋戦争期の日印関係史において、十分に解明されているとは言い難い日本軍によるアンダマン・ニコバル諸島の軍事占領とその後に続いた民政施行を、イギリス帝国史・第二次世界大戦軍事史・日本植民地経営史を視野に入れつつ、歴史学の観点より多角的に解明することを目的とした。本研究の特色は、従来の研究が、イギリスをはじめとする旧連合国側が保有する史資料と、日本側が保有する史資料が、有機的に連結されることなく全く別個に行われてきたことを、批判的に克服しようとしていたことである。日本における研究史においても、アジア太平洋戦争期の軍事占領に関する研究が東南アジア地域に限定されており、ビルマを視野に入れた日印関係史の研究においても、その関心がビルマ占領とインパール作戦に終始していることを批判的に捉え直そうとしたものである。こうした前提のもと、イギリスと日本国内において広範かつ包括的な史資料検索と収集を行った。その結果、以下の諸点に関して、従来の研究では詳らかになってこなかった事実の解明が進んだ。(1)対日戦争とイギリス・連合国側のインド防衛方針(2)イギリス・連合国のアンダマン・ニコバル諸島防衛方針と日本のインド侵攻作戦との関係(3)日本占領期民政の実態(組織・制度・人材・施策)(4)自由インド仮政府とアンダマン・ニコバル諸島(5)戦争犯罪裁判とアンダマン・ニコバル諸島(6)アンダマン・ニコバル諸島の戦後復興と対ビルマ関係研究成果として、史資料部分は、文献目録データベースである「アンダマン・ニコバル諸島関連資料目録」に取り纏め、論文としては「アジア太平洋戦争期のアンダマン・ニコバル諸島」を執筆した。研究の当初計画においては、アンダマン・ニコバル諸島において、現地史資料調査を実施し、わけても、日本軍占領期のオーラル・アーカイブズの構築を企図していたが、スマトラ沖大地震の発生により、同諸島一帯が壊滅的な被害を受けたために、最終的に見合わせざるを得なくなってしまった。それらについては、今後の課題としたい。
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東京外語会会報 109号
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史資料ハブ地域文化研究 9号
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科学研究費基盤研究 (B)「多言語社会生成の歴史的条件に関する総合的研究」報告書(課題番号 16320082) (印刷中)
東京外語会会報 110号(印刷中)
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Shi-shiryo-habu Chiiki-bunka-kenkyu (Journal of Centre for Documantation and Area Transcultural Studes) 9
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アーカイブズ・ニューズレター 第4号
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Castalia (Bulletin of Tokyo University of Foreign Study Library) 12
Archives Newsletter 4
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Chiiki-kenkyu 7(1)