本研究プロジェクトは、ベトナムの国有林再生事業の受益者と想定されている農民の「貧困」に対する認識や考え方を理解し、それらを事業の立案者や担い手の「貧困」に対する認識と比較する作業をおこなう目的のもと、フィールドワークおよびデータ収集・整理を完了した。この作業の多くは、主要調査者と緊密な協力関係にあるベトナムの協力者たちとの共同作業のもとに実施された。完成したフィールドワークおよびデータ収集には、ベトナムのリサーチ現場の視察、重要な情報提供者へのインタビュー、および主要グループのディスカッションが含まれる。データ収集では、国家レベルと地方レベルにおける二次資源の検討が完遂された。データ分析には、図式化、量的データの統計的分析、および量的情報の表記と要約が含まれる。このデータ収集およびデータ分析の工程はすでに完成された。本データ収集・分析を精緻に検討した研究成果の出版が準備されており、本報告書で示すように、実際にそのいくつかは本年度内に出版されている。出版物には一編のモノグラフが含まれており、二名のベトナム人研究者との共著となっている。さらにもう一編の論文が研究協力者とともに準備されており、ベトナムおよび他国のケースにわたって検討する比較研究の手法が用いられている。最後に、2006年11月に台北で開催された国際会議において、一編の草稿が発表された。それは2007年度に出版予定の論文集のために既に完成稿として提出されている。
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