本研究は、京都大学地域研究統合情報センターがそのデジタル版を所蔵している、中央アジアに関する膨大な資料集成『トルキスタン集成』(オリジナル約600巻)の全容を明らかにし、21世紀の現在においてあらためて中央アジアに関する地域研究資料として活用するための基盤を整備することを目的として、既存の4種類のインデクスを統合し、検索機能を付したデジタル・インデクスの作成、資料原本のウズベキスタン所蔵版とロシア所蔵版の比較、このコレクションに所収されている一部の重要な資料の抄訳・翻訳などを行おうとするものである。第二年度目の平成18年度においては、タシュケント(ウズベキスタン)において、本資料集成のデジタル版作成を行ったメディア・ランド社の協力を得ながら、平成17年度に作成した既存インデクスのHTML版を基に、まずは本資料集成に含まれる単行本について、既存インデクスに掲載されている個々の書誌情報を、資料原本と照合し、かつキーワード設定を試みながら、統一したフォーマットで入力する作業に着手した。この作業は、本研究の最終的な成果としてのデータベース化を視野に入れながら、平成19年度にかけて継続中である。また、これら単行本の中から、従来の日本における中央アジア地域研究で十分に活用されておらず、かつ活用する意義が大きく、抄訳または翻訳の形で紹介するのが望ましいものの選択について引き続き検討を行っている。
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