本研究は、ウズベキスタン共和国のA.ナヴァーイー記念国立図書館希少本室に所蔵され、京都大学地域研究統合情報センターがそのデジタル複製(CD版)を有する、中央アジアに関する膨大な資料集成『トルキスタン集成』(オリジナル約600巻)の全容を明らかにし、21世紀の現在においてあらためて中央アジアに関する地域研究資料として活用する基盤を整備することを目的としたものである。最終年度にあたる平成19年度は、研究実施計画に従って、本研究の取りまとめを行った。具体的には、主たる成果として、帝政ロシア時代およびソヴィエト時代に作成され、体裁や分類方法の異なる『トルキスタン集成』の既存の4点の索引(インデクス)を書誌情報ごとにばらし、統一のフォーマットで統合する基礎的作業を完了し、デジタル・インデクスの基盤を完成させた。これについては、若干の追加的な作業を経て近い将来、地域研究統合情報センターのデータベースとして公開する予定であり、これによって従来4種類の索引を広げて別々に検索せねばならなかったものが、コンピュータ上でキーワード検索できるようになり、さらに『トルキスタン集成』について何らかの統計的な調査をすることも飛躍的に容易となる。また、冊子体による報告書『トルキスタン集成』に関する基本情報を掲載し、デジタル・インデクス用のデータ一覧を付した『地域研究資料としての『トルキスタン集成』に関する総合的書誌情報』(平成20年3月)を刊行した。
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