研究課題/領域番号 |
17510219
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
川橋 範子 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10303687)
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研究分担者 |
黒木 雅子 京都学園大学, 人間文化学部, 教授 (20319437)
小松 加代子 湘南国際女子短期大学, 国際ビジネス総合学科, 助教授 (90211911)
熊本 英人 駒沢大学, 仏教学部, 助教授 (20327745)
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キーワード | フェミニズム研究 / 宗教学 / 文化人類学 / 社会学 / 仏教学 |
研究概要 |
9月に第一回の正式な研究会をひらき、今後のプロジェクトを進める計画を話し合い、12月には宗教研究とフェミニズムの先鋭的な事例である「女人禁制」をめぐる解釈について討議した。講師には、女人禁制開放運動の中心的担い手の源淳子氏を招き、コメンテーターには宗教と権力と女性の人権問題に造詣が深い堀江有里氏を招いた。 これまで宗教研究において、宗教は歴史、文化を越えた「究極的に普遍的なもの」として捉えられることが多く、宗教現象をジェンダーや階級といったカテゴリーから説明することは、還元主義的な次元の低い方法論的研究と見られがちだった。これに対して、フェミニズムの視点は、宗教研究が語ってきた「普遍性」に対する疑問を投げかける役割を果たしている。本プロジェクトの12月の研究会では、具体的に「大峰山女人禁制」をとりあげ、「伝統か差別か」という二者択一的アプローチの限界と同時に、女性やマイノリティというカテゴリーの多様性と、運動を進めていく上での課題が明らかにされた研究会であった。 次年度5月には、スイスのチューリッヒで開かれるローザンヌ大学とチューリッヒ大学合同のジェンダーとシンボリズムの国際会議に、小松、黒木、川橋が出席し、グローバルなレベルでの宗教とフェミニズム研究のネットワークづくりを進める予定である。すでに2005年3月に東京で開かれた国際宗教学宗教史会議でジェンダー問題の担当であったカルガリー大学のモーニー・ジョイ教授からネットワーク構築プロジェクトの招きを受け、その準備段階の環境設定として、コンピューターを各自購入した。またさらに次年度6月の「宗教と社会」学会では「ジェンダーで学ぶ宗教学の可能性」というパネルを指揮し、本科研のメンバーが司会、コメンテーター、発表を行う。これはフェミニズムと宗教研究の新たな知の編成にむけた重要な作業である。 (782文字)
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